看護師・助産師の仕事ってどんな仕事?
助産師資格保有者
相談事例
先日がんと告知され手術、抗がん剤が必要になりました。まだ手のかかる子どもが2人いるので、子どものことはどうしようか、子どもには何と伝えようかと不安ばかりです。
がんの告知を受け大きく動揺されたことと思います。これからのご自身の治療のことに加えて、お子さんのこともご心配ですね。 手のかかるお子さんがいらっしゃるとのことですが、ご自身が入院などの治療に専念される間にお子さんのお食事などの生活を支えてくださる方はおられますか?パートナー、ご両親、ご友人、ご近所さん、社会資源(保育園、ファミリーサポート、ベビーシッター、家事援助サービスなど)などが思い浮かびます。これからの治療の見通しを少しイメージしながら、誰にどんな風に依頼できそうかを一緒に考えてみませんか。 また、お子さんの反応を想像しお子さんに何をどのように伝えたら良いのかと戸惑われているかもしれませんね。お子さんの年齢によって理解できる内容は異なりますが、どんな年齢のお子さんであっても、落ち着いた雰囲気の中で、子どもが気がかりなこと(がんであること、うつらないこと、あなたのせいではないこと)、治療の予定、治療に伴うカラダの変化(脱毛、疲労感など)や生活の変化(保育園の送り迎えはおばあちゃんに代わるなど)などについてお伝えしてみてはいかがでしょうか。お子さんの年齢や特徴に合わせてベストな方法を一緒に考えてみませんか。
つわりが辛くて生活がままなりません。何かできる対処はありますか?
つわりによる気持ち悪さなどが見られ始め、これはいつまで続くのかと不安を感じられておられるかもしれませんね。つわりは妊娠により身体が変化したことで見られるものであり、決して「気のせい、甘え」ではありません。つわりの原因や全員に効果的な対処法はまだ詳しくわかっていませんが、妊婦さんそれぞれのつわりがマシになる「自分に合ったつわり対処法」を見つけることが重要だと考えられるようになりました。つわりは妊娠経過と共に落ち着きますので、それまでの期間は、つわりがマシになる可能性のある対処法(リンク参照)の中から「やってみれそう、良さそう」と感じるものを一緒に探しながらご自身に合ったつわり対処法を見つけてみませんか。なお、体重が妊娠前より5%以上減る場合や尿が出る回数が減って尿が濃くなる場合は脱水の可能性があるので受診しましょう。
つわりのときの対処法
引用:Benesse たまひよ 著者:岩國亜紀子先生
助産師をしていて嬉しいことや、やりがいはある?
現役の助産師さんに聞いてみました。妊娠、出産、子育ては文化や生活に根ざしたものであり人類の歴史と共に長く行われてきたものだけど、現代でも、あるいは現代だからこそ、多くの女性とそのご家族が「こんな場合はどうしたらいんだろう?」などと悩みを抱えておられます。助産師でありながら私自身もそうでした。自分に合った選択をしていくには「専門知識」と「多くの人の経験談に基づく選択肢」を知り、自分に合っていそうな選択肢を試していくプロセスが大事です。そしてそのプロセスで自分の疑問や感情を相談し共感してもらえる人がいると、とても心強い。妊娠前、妊娠初期、出産直後にたくさんの心配を抱えた女性の皆さんやそのご家族も、妊娠・出産・子育てに伴う変化を一つずつ体験しながら乗り越え、自らの力を再確認し力強く歩み始められます。それを間近で応援できる瞬間は多いに刺激的で、ヒトの無限の力を感じます。唯一無二の正解ではなく、それぞれに合った選択肢を選択するお手伝いができることに喜びを感じます。
FAQ(よくある質問)
助産師は産婆のことですか?
出産のお手伝いをする女性は、古くは「取上婆」や「子安婆」と呼ばれていたようです。 江戸時代に入って「産婆」という名称で職業として一般化しました。昭和23年には名称が「助産婦」に変更され、ここから看護教育を基盤とした助産婦教育制度が定められました。そして、2002年に「助産師」に改められました。助産師については、紀元前1550年頃の医学書物にもその記述があるようで、人類の歴史と共に長く活躍している職業です。
助産師と看護師の違いはどんなことですか?
保健師助産師看護師法では、助産師は「助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする(3条)」「臍帯の切断、浣腸、その他助産師の業務に当然に付随する行為を行うこと(37条)」と定義されており、正常に経過する妊娠・出産は医師の指示がなくてもサポートすることができます。一方、看護師は医師の指示を受けてサポートします。また、助産師の基礎教育では、妊娠分娩期、子育て期、更に思春期、不妊、更年期など女性のライフサイクル全般に関わる学びを深めるので、女性とその家族の性と生殖に関わる様々な健康課題にも幅広く関わっています。
助産師とドゥーラの違いはどんなことですか?
日本では産前産後の女性とその家族を支える産後ドゥーラが活躍しており、海外のドゥーラは更に出産時にも女性に寄り添い支えています。助産師とドゥーラはいずれも妊娠、出産、子育てを体験する女性とその家族が自らの力を発揮できるよう寄り添う支援者です。両者の違いは、助産師は看護職としての国家資格を有した専門職ですがドゥーラはそうではない点で、それぞれの強みは異なります。助産師は診察等により分娩進行状態や胎児の健康状態などを判断し、必要時は医師と連携しながら投薬などの医療行為も行います。女性の思いを尊重する視点と同時に、母子の安全を守る医学的視点を有しています。一方ドゥーラは、医療者ではない立場から女性の思いを尊重する視点を十分に活かし、幅広い方面から女性とその家族を支えています。
助産師になれるのは女性だけですか?
保健師助産師看護師法では、助産師は「助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子(3条)」と定められており女性限定の資格です。海外(アメリカ、イギリス、スペイン、オーストラリアなど)には男性の助産師もいます。日本でも1985年男女差別撤廃条約の締結を経て、また2001年保健師助産師看護師法の改正に向けて、男性助産師の実現に向けた動きがありました。しかし、賛否様々な意見が挙がって当時は実現せず、現在も議論は続いています。